本文の中に登場するのはすべて実在のケースです。
ただし、守秘義務の関係から人物・社名等は匿名としています。
また、金額・業種等本人の特定につながり易いものについては、
趣旨を逸脱しない範囲で変えてあります。
あらかじめご了承下さい。

2009年11月13日

自宅をどうしましょう

A社との返済交渉もいよいよ大詰め。
事業はすでに清算に着手。
保証人であるA社長の自宅の処分を残すだけとなっている。
A社長は実はB社も経営している。
幸いこちらは細々と事業を継続していける見込みである。
まあ倒産してすべてを失う事から考えたらまだ良い方だろう。

ただ問題は自宅の処分である。
保証人である以上はそのまま債務免除というわけにはいかない。
一方でA社長には自宅を手放したくないという強い希望がある。
だが、今後長期にわたって返済していくというのも受け入れにくい。
どうしても売却していただかないといけない。

そこで折衷案として、「売却先はどこでも問わない」と申し入れた。
親戚でも息子でも誰でも資金が用意できるのであれば、その人に売ればよいとしたのだ。
そうすれば、名義こそ違うが引き続き今の自宅に住み続けられる。
その資金については、どうするかは相手と話し合っていただくだけである。

社長としても「それならば」と納得。
ただ今度は価格の問題だ。
社長としては安く売りたい(=安く買いたい)が、我々としては高く売ってほしい。
そして不動産の価格などは、鑑定評価が例えば5,000万円だからといって必ず5,000万円で売れるものではない。
「最終的にいくらで売買したか」である。
社長が頼んだ鑑定評価が4,000万円で我々の頼んだ鑑定評価が5,000万円という事だってある。
鑑定人だって商売なのだ。

我々としては社長の言い値で応じるわけにもいかない。
最終的にはこちらの言い値を飲んでもらうしかない。
嫌なら実際に売りに出して、買い手がついた値段に少し上乗せしてもらうしかない。
この場合、売り情報が市場に出る事になるが、それでもよければそうする事となる。
最終判断はお任せしているが、果たしてどういう結論を下すであろうか・・・
自宅の処分の場合は、こんな折衷案で解決する事もけっこうあるのである・・・



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2009年11月11日

万物は流転する

A社は破産手続きに入っている。
もともとは製造業を営んでいた企業ではあるが、景気低迷から売り上げ不振となり、またそれまでの設備投資負担が重なり、不渡りを出した挙句倒産したのである。
社長は弁護士に破産手続きを依頼し、自らも同時に破産申請した。
個人で保証人となっていたためである。
そうして破産管財人弁護士が破産手続きに着手した。

資産としては工場財団があった。
工場の土地・建物と中の機械設備一式が工場財団として登記され、担保提供されていたのである。
だが、この環境下で右から左と処分できるものでもなく、どうなるものかと危惧していた。
一体での処分が難航し、まずは中の機械設備だけを先に処分した。
専門の業者が引き取っていった。

我々は専門の機械の価値などよくわからない。
処分する独自のルートがあるわけでもない。
破産管財人弁護士も同様。
まあ言い値で売る事になったが、それでも売れないよりはいい。
買って行った業者もそれを転売するのであろう。
こういう環境下ゆえ、中古でもいいから機械を安く仕入れたいというニーズは強いのではないかと想像される。

そしてこのたび工場も売却が決まった。
取り壊して売るとなると土壌汚染の問題もあり、大して値段がつかないと覚悟していたら、そのまま買うという企業が現れた。
そのままだとそこそこの値段で売れるのでこちらは大歓迎。
一方買う方も安く広い工場が手に入ったと喜んでいるようである。

こうして経済は流転して動いていく。
安く設備投資ができればそれだけ企業の不況抵抗力が強くなる。
消えゆく企業と発展してゆく企業、同じ資産を巡り両者は対照的である。
これも世の常ではあるが、はたしてこれらの資産はこのあとどんな運命を辿るのだろうか。
そんな事をちょっと考えた売買であった・・・



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2009年11月09日

【現代の経営戦略】

折にふれ、経営や財務関連の本はちょくちょく読んでいる。
こういった方面の知識は必ずしも債権回収に役立つものでもないが、やはり経営者の方と話をする時には多少の助けになると常々感じている。
「金返せ」という話しかできなければ、そういう目で見られてしまうし、会話に深みがあると相手のこちらを見る目も多少違うと感じられるからである。

今回は大前研一編著の『マッキンゼー現代の経営戦略』を読んだ。
なんとこの本は30年前のものである。
経営者約40名を集めて開催された「トップマネジメント・コンファレンス」を一冊にまとめたものである。

30年前とはいうものの、内容的にはまったく古さを感じさせられない。
戦略手法が、PMS(製品・市場戦略)、PPM(ポートフォリオ管理)、PIP(収益性改善プログラム)、OVA(間接費削減アプローチ)、SFM(販売力管理)、TPM(技術ポートフォリオ管理)と6章に分けて解説され、終章では“参謀の役割と資質”が語られる。
さすがにこれまであれこれと触れてきたので、どれも一度は目にした事があるものだ。
だが、30年前にすでにこれらの理論が語られていたのには驚いてしまった。
当時はさぞかし斬新なものに映ったのだろうと思う。

図表は当時使われた手書きのもの。
今みたいにワードやエクセルがなかっただけに手書きなのだろうが、逆に臨場感というか味わいのあるものになっている。
理論は理論として面白いのであるが、やはり具体的なイメージをあげて考えてみるとしっくりとくる。
手元に置いておきたい一冊である。

それにしても大前研一は当時35歳。
その前に書いた『企業参謀―戦略的思考とはなにか』もそうであるが、30代前半でこれだけのものを書くというのはすごいものだと改めて思う。
肩を並べたいなどとは望むべくもないが、せめて書いてある事が理解できる程度にはなりたいと思う。
たんなる取立屋にならないためにもそんな気持ちは持ち続けたいと思うのである・・・



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2009年11月07日

続・頼るべきは弁護しか

某パチンコ店との交渉時、弁護士主導で話が進み、某銀行から借り入れをして一部返済する事で話はまとまった。
第一順位はその銀行。
我々は第二順位、ただし第一順位が評価額目一杯の金額で設定されたので、我々の担保は物件を売っても取り分がない「無剰余担保」となった。

そもそもこのパチンコ店の問題点は古い経営体質だとみていた。
ともかく銀行から借り入れをし、その金で新台をより早く入れる。
それがすべてと考えていたのだ。
顧客の快適性とか効率的な台の運用とか諸々の改善点をコンサルタント側では用意していたのだが、弁護士が我々の提案などまやかしだと(言ったかどうかは知らないが)して受け入れなかった。

問題を解決しないまま、経営を続けても先は見えている。
某銀行からは我々への返済分と、当面の事業に必要な資金を借りたものの、それから2年ほどで再び事業は頓挫。
「銀行が金を出せばうまくいくんだ」と社長は豪語していたが、短期間でその考えが間違っていた事を証明してくれた。

そして弁護士から久しぶりに電話があった時、要件は「店舗を売るから担保を外してくれ」というものであった。
てっきり「無剰余」だと思っていた我々の第二順位の担保。
市況が回復して思わぬ高値がついた事と、第一順位の銀行の返済が進んでいたのとで、思いがけず「剰余」が出た。

これも担保を外させられていたらだめだったが、相手の弁護士がなぜかそこまで要求しなかったから良かったのだ。
こちらも要求されないことをわざわざサービスすることもないと黙っていたのだ。
経験豊富な弁護士さんだと債務免除も要求してくるが、あまり理屈に囚われるとそこまでいかない。

大事なのは事業の建て直しか、債権者との交渉か。
そこでその弁護士と社長は後者を選択した。
まあそれが弁護士のテリトリーだから当然なのであるが、事業の再生のことにまでは考えが及ばなかったようだ。
我々の提案を受け入れていれば良かったという保証はないが、事業を立て直すという視点が我々にあった事だけは確かである。

結果的に言えばその(弁護士さんの)おかげで我々は随分と楽に結果をださせてもらったのだから、なんとも複雑だ。
再生だなどと面倒な事は考えず、回収だけに走った方が楽だし回収額も多くなるとなれば、そうなってしまう。
単なる取立屋じゃつまらないし・・・

成果の上がったケースではあったが、でも再生自体はやってみたかったなとちょっと残念である・・・



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2009年11月05日

頼るべきは弁護士か

仕事柄弁護士さんとの接点は少なくない。
特に借金問題となるとやはり頼りになるのは弁護士さんだ。
だが、だからといって「すべてお任せ」としてしまうのは危険だ。
弁護士さんも得手不得手がある。
自らも交渉の場に出て、相手の主張を聞き、そしてその上で「弁護士さんから助言を得て」、最終的に自分で結論を出す、こういうスタンスが大事だと常々思っている。

少し前の話であるが、あるパチンコ店の担当をした。
最初の面談時に「今後の事業についての考えも知りたいし、社長さんと直接お会いしたい」と相手の弁護士に伝えておいた。
ところが、当日待っていたのは弁護士だけ。
「社長は?」と尋ねると、「今日は私がすべて伺う」とにべもない。
「経営者でないあなたに、事業に対する考え方などわからないだろう。それでは意味がないので後日改めて面談をお願いしたい」と回答した。
その弁護士は「あくまで私が弁護士だから私が話をする」と言って譲らない。
押し問答の末、なんとか後日の面談の約束を取り付けた。

この時、実はパチンコ店の再生プランを用意していた。
専門のコンサルタントと相談し、事業診断と店舗運営との方策を提案しようとしていたのだ。
もちろんそれは事業運営に関する話なので、経営者でなければ理解できない。
なので弁護士が立ち会うのは当然だとしても、経営者がいなければ意味がなかったのである。

あとでわかった事は、どうやらこの弁護士が「とにかく任せておけ」と社長には話していたようである。
社長はこちらの用意したプランもさらっと目を通しただけで、大した興味は示さなかった。
そして弁護士はといえば、「面談させたからこれで満足だろう、次はこちらの話し合いだ」というスタンスであった。

結局、弁護士ペースで話は進み、某銀行から資金調達しそれで一括返済するという事で話はまとまった。
こちらとしては採算も取れるので応諾した。
ただし、癪に障ったので債務免除には応じなかった。
つまり返済はしなくてもいいが、担保は残させてもらうとしたのだ。
それまで第一順位の根抵当権を某銀行のために第二順位に変えたのだ。
それがあとで役に立った・・・



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2009年11月03日

説得すべし


A社長との話し合いはその時最終段階にきていた。
残りは自宅を処分していただくだけとなった。
それが済めば残りの借入金は免除とさせていただく予定。
社長はそれで借入金の大きな割合がなくなり、あとは事業で無理なく返せていける見込みだ。

社長の自宅は夫人が一部持分を持っている。
当然売った場合はその部分は夫人の下へと入る。
夫人は保証人ではないので返済義務は負っていないから当然なのである。
しかし、我々は敢えて夫人の持分も含めて、売却代金から必要経費・住宅ローンの残債を除いた金額を返済してほしいと要求している。
社長は、「夫人が絶対納得しない」とそれには異を唱えている。

夫人は専業主婦。
自宅を建てた資金は銀行ローンとはいえ(今もまだ残っている)、もともとは社長が稼いだお金だ。
夫人が家を建てる時に資金を出したかどうかは定かではないが、夫人単独であれば借りられなかったであろう。
法律上は夫人には責任はないが、ここは夫婦の共同責任と考えてほしいと思っている。

「社長にお任せするので夫人を説得して話をまとめて下さい」とお願いした。
もともと話が壊れれば、最悪の場合、会社も社長も自己破産となる。
夫人の手元にいくばくか残ったとしても、それと天秤にかけられるものなのかどうか。
手元には残らなくても、事業が残り、自己破産もせずに未来に道が開ける。
(事業がそれでもダメになったらその時はその時であるが・・・)
ある程度の試練は潜っていただかないといけない。

借金だけを消してほしいというのはできない相談。
「借金もなくなるが資産もあわせて無くなった」とならなければ、真面目に借金を返している人がバカバカしくなってしまうだろう。
それに自宅は結構な豪邸だし・・・

奥様にはお会いした事がないのでどういう方かはわからない。
ただすべての事情をきちんとお話すれば、分かっていただける気がする。
もちろんそうするのはやぶさかではないのであるが、まずは社長さんからきちんとお話していただくのが筋であろう。
「また商売で頑張って豪邸を取り戻す」
そう考えていただきたいのである。

法律では絶対に回収できない部分である。
社長や奥様が未来に目を向けて納得していただけたなら、それは我々にとっていろいろな意味で喜ばしい事である。



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posted by Master-hiro at 22:29 | Comment(6) | TrackBack(0) | 交渉記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月01日

ワンマン社長のお出まし

先日、 経理部長が辞めたA社の社長が、後任の経理部長とやって来た。
一応は引継ぎの挨拶である。
後任の方もそれなりにしっかりしているようである。

話が必然的に本業の方に及ぶ。
実はこの新経理部長も、もともとA社では社長に近いポジションにいた人。
それなりに会社の実情もよくわかっている。
何が問題点か、我々は何を欲しているのか等々を、である。

敷地の一部に建つ建物を取り壊す計画を以前伺っていた。
その方が土地を効率的に使えるからだ。
そしてその建物を取り壊してもらった方が我々にとってもありがたい話であった。
(そこの部分が更地であった方が担保処分となった時に処分が容易になるからだ)

ところが今回それが見送られることになった。
それを聞こうと思って新経理部長に水を向けたところ、社長が遮ってしまう。
「そんな瑣末な事はいいんだ、大事なのは本体の計画だ」というわけである。
それはそうなのであるが、こちらとしては事情を伺って場合によっては計画を進めてもらいたいという腹積もりがある。
大事な話なのであるが、社長が一喝してThe end。

外部の人と会っている時に部下の話を遮ってしまうのはあまり印象がよくない。
部長だって考えというものはあるだろうし、面子だってある。
すべて会話を仕切って、自分の思いを語る。
それはそれでいいのだが、部長の話を聞きたい時は困ってしまう。
社内でもそんな感じなのだろう。

そんな社長だといずれ周りはイエスマンばかりになってしまう。
自分で判断するより社長の言う事に従っていた方が楽だからである。
やがて自分で考える社員がいなくなってしまう・・・
そうしてやがて「うちにはろくな社員がいない」と嘆くようになる・・・

部下が自社の事をどんな風に考え、取引先とどんな話をしているのか。
任せて興味をもって見守る余裕があってもいいのではないか。
そんな事を話を聞きながら感じていた。
新部長も大変だろうが、頑張ってほしいものである。



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posted by Master-hiro at 20:09 | Comment(2) | TrackBack(0) | 交渉記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月30日

時には必要

常に話し合いによる解決を目指している私ではあるが、すべてうまくいくというわけでもない。
時としては不本意ながら法的対応を取らざるをえない時もある。
A社もそんな一社である。

A社自体には返済能力はない。
不動産はすでに担保がべったりとついているし、収入も担保をつけている銀行の借り入れの返済で一杯一杯、とてもではないが我々への返済額を搾り出すゆとりはない。
しかしながら、代表者個人は別である。
A社とは別に事業をやっており、また不動産賃貸などの資産運用も幅広くやっている。
我々としては当然保証人として、保証債務の履行を求めていた。

社長はそれに対してはけんもほろろ。
まともに話し合いに応じる素振りもない。
そこであれこれと調べて余力のある資産に差押えをかけたところ、これが見事にヒット。
予想していた以上の価値を押さえる事ができた。

今は和解の話をしているが、こちらから要求した資産負債明細をみてちょっと驚いた。
予想に反して資産超過(資産>負債)であったのである。
資産も多いが、それ以上に借り入れも多い、だから当然金融機関との関係は悪くなり、我々のような無担保債権者に対しては怖くもないのでぞんざいに対応するのだ、と考えていた。
金融機関との返済交渉は楽しくはないだろうし、そういう人の気持ちもわかる。
だから態度についてはあまり気にしないようにしていた。
そんな予想は違っていたようである。

こちらとしては予想以上に差押えもできた事だし、無理に和解に応じる必要もない。
しかしながら社長も予想外の差押えをされて肝を冷やしたようだし、今はこちらの要請にもきちんと応えてくれている。
弁護士を通じて申し出のあった和解案は分割返済であった。
期間は長くなるものの、全額返済するというものであり、応じてもいいのではないかと考えている。

振り返ってみて交渉だけでこの結果を得られたかと考えてみると、たぶん無理である。
時にはやっぱり仕方ないのだろう。
なかなか理想通りにはいかないのが実情である・・・



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posted by Master-hiro at 23:03 | Comment(2) | TrackBack(0) | 交渉記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月28日

金を借りたい

A社は民事再生先である。
借金は大半(一般債権は75%カット)が棒引きとなり、担保に関わるものだけは返済義務は残るものの、10年分割弁済であり今のところ順調である。
返済がないので手元に資金が積み上がっている。
手形も期日まで持つゆとりがある。
というわけで経理部長も余裕である。

そんなA社のB経理部長。
いずれ資金需要が出てきた時のことを考え、(企業は売上が伸びるのにしたがって増加運転資金が必要になるものなのだ)メイン銀行に借り入れの打診をしたそうである。
(すぐに借りたいというわけでもなく、その時に備えたいと思ったらしい)
ところが良い顔されなかったらしい。
貸す方の理論としては当たり前なのであるが、どうやらB部長の中では理解不能らしい。

「優良企業の商手割引くらいならリスクもないし、いいではないか」と納得していない。
きちんと経常利益も出ていて、再来年あたりから納税の心配もしなくてはならないくらい儲かっているのだ、と力説する。
アメリカの銀行などはドライに考えて判断するが、日本の銀行は感情論でモノを言うからダメだと・・・

一般的に言えば民事再生の場合、(A社では75%の債権を放棄してもらい25%分を10年かけて返済するのである)日本の銀行はこの返済が終わるまでは新規融資などしないであろう。
いくら儲かっていても、である。(全部が全部とは言い切れないかもしれないが・・・)
75%も損させられておいて、25%部分でさえまだ返済途中で、しかも最後まで返済される保証などない中で、新規融資に応じられるわけがない。
それは感情論ではない。
法律の助けで、債務の返済は免れたとしても、決められた残りの25%の債務を完済するまでは、「普通の会社」とは言えない。
完済して初めて民事再生を終了して「普通の会社」になれるのである。

それに世の中には苦しくとも返済を続けている企業がたくさんある。
民事再生をやって借金を棒引きしてもらい、すぐに銀行から融資が受けられるのであればみんな民事再生するだろう。
その方が圧倒的に楽である。

さらに棒引きされるのは銀行の借入金だけではない。
一般の売掛金だってカットされるのだ。
もしも、自分の売掛金を25%しか払わなかった取引先が、民事再生後すぐに銀行から借り入れをして事業を広げていったら、果たしてどう思うだろうか。

資金繰りが楽になって今までありえなかった預金残高を目にして(返済していないのだから当然だ)、B部長は少々舞い上がってしまっている。
正直者がバカを見ることのないように、金融機関からは冷水をかけられた方がB部長にとってはいいだろうと思ってしまうのである・・・



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posted by Master-hiro at 22:41 | Comment(4) | TrackBack(0) | 借金する人達 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月26日

総量規制


先日担当先の方と話をしている時に、来年から施行されるクレジットカードや消費者ローンの総量規制が話題となった。
総量規制というと、バブル崩壊のきっかけになったと言われる90年代の不動産融資総量規制を思い出してしまう。

あの時は、「銀行が貸すから不動産の値がつりあがる→貸さなければ値は上がらない」という単純な発想から、政府が銀行融資に歯止めをかけたものであった。
その効果は抜群で、確かに不動産の価格上昇は止まったが、風を失ったグライダーよろしく、地価は真っ逆さまに急降下した。

今回は多重債務者の発生を防ぐという大義名分で、クレジットカードや消費者ローンの借り入れに上限を設けようというものである。
年収の1/3までという上限が定められ、すでに各社はそれに対して顧客に収入証明書の送付を求める等の対応を始めている。

なるほど、貸さなければ多重債務には陥らないというわけか。
もっともな事ではある。
でも今すでに借りている人はどうなるのであろう。
カードローンなど繰り返し借りられるタイプを利用している人も多い。
ましてや中小企業のオーナーなどは個人でちょこまかと必要な(生活資金も含めて)資金を借りている人も多い。
突然借りられなくなっても大丈夫なのであろうか。

物事には当然原因があって結果がある。
悪い結果を回避するためには、原因から絶たなければだめだと言うのも当然である。
では多重債務の原因は、消費者金融やクレジットカード会社が「貸した」事なのであろうか。
そうであれば、「貸さない」事によって防ぐ事ができる。
何も貸せばいいとは思わないが、急に蛇口を絞める事によってそれまで流れていた水が堰き止められ、破綻する人が出てくるような気がするのである。

最前線でお金に苦労している人の話を見聞きしていると、机に座っているだけではわからない事を感じられる事も多い。
理論も大事だと思うのであるが、こうした現場感覚を持ち合わせていない人達がルールを決めていくとなると恐ろしい気もする。

本当に多重債務を撲滅できるのか、結果は天のみぞ知る、である。



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posted by Master-hiro at 22:45 | Comment(3) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする