本文の中に登場するのはすべて実在のケースです。
ただし、守秘義務の関係から人物・社名等は匿名としています。
また、金額・業種等本人の特定につながり易いものについては、
趣旨を逸脱しない範囲で変えてあります。
あらかじめご了承下さい。

2009年11月05日

頼るべきは弁護士か

仕事柄弁護士さんとの接点は少なくない。
特に借金問題となるとやはり頼りになるのは弁護士さんだ。
だが、だからといって「すべてお任せ」としてしまうのは危険だ。
弁護士さんも得手不得手がある。
自らも交渉の場に出て、相手の主張を聞き、そしてその上で「弁護士さんから助言を得て」、最終的に自分で結論を出す、こういうスタンスが大事だと常々思っている。

少し前の話であるが、あるパチンコ店の担当をした。
最初の面談時に「今後の事業についての考えも知りたいし、社長さんと直接お会いしたい」と相手の弁護士に伝えておいた。
ところが、当日待っていたのは弁護士だけ。
「社長は?」と尋ねると、「今日は私がすべて伺う」とにべもない。
「経営者でないあなたに、事業に対する考え方などわからないだろう。それでは意味がないので後日改めて面談をお願いしたい」と回答した。
その弁護士は「あくまで私が弁護士だから私が話をする」と言って譲らない。
押し問答の末、なんとか後日の面談の約束を取り付けた。

この時、実はパチンコ店の再生プランを用意していた。
専門のコンサルタントと相談し、事業診断と店舗運営との方策を提案しようとしていたのだ。
もちろんそれは事業運営に関する話なので、経営者でなければ理解できない。
なので弁護士が立ち会うのは当然だとしても、経営者がいなければ意味がなかったのである。

あとでわかった事は、どうやらこの弁護士が「とにかく任せておけ」と社長には話していたようである。
社長はこちらの用意したプランもさらっと目を通しただけで、大した興味は示さなかった。
そして弁護士はといえば、「面談させたからこれで満足だろう、次はこちらの話し合いだ」というスタンスであった。

結局、弁護士ペースで話は進み、某銀行から資金調達しそれで一括返済するという事で話はまとまった。
こちらとしては採算も取れるので応諾した。
ただし、癪に障ったので債務免除には応じなかった。
つまり返済はしなくてもいいが、担保は残させてもらうとしたのだ。
それまで第一順位の根抵当権を某銀行のために第二順位に変えたのだ。
それがあとで役に立った・・・



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posted by Master-hiro at 22:52 | Comment(8) | TrackBack(0) | 交渉記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こういう人の子供さんの作文て・・・

 うちのお父さんの仕事は取立て屋です!  みたいな感じなのかな(笑)

 なんかすげーな(笑)



Posted by ちょろ at 2009年11月06日 01:04
うちの会社の社長もちょっと変。まあ、資金回収に弁護士を使うのはいいよ。場合によっては民事訴訟だよね。でも、弁護士がもってくるのは判決文だけだね。紙切れだけなんだよ。弁護士は法律の専門家。ビジネスの専門家じゃないんだから、何でもおまかせなんてのは考え物だよね。法律の観点からしかみていないから、総合的にどう対応したらよいかという点が抜けて、肝心要のところがスッポリ抜けていることが多いみたいだね。それにしても社長なんだから、会社法と民法と、基本的な法律ぐらい勉強したらなんて思うときがある。そうすれば弁護士べったりにならないんじゃないかな。
Posted by 非国民 at 2009年11月06日 06:19
>>返済はしなくてもいいが、担保は残させてもらう

そんなことが可能なんですか?

返済はしなくてもいい、ということは、
裏を返せば永久に担保が消えない!?

普段は返済を意識することが無くても、万が一会社がつぶれた時には、
売却された担保物件から一部を弁済しなくてはいけないということでしょうか?
Posted by 柴田進 at 2009年11月06日 09:00
それがあとで役に立った・・・

意味深ですね。
続きを!
Posted by マントヒヒ at 2009年11月06日 20:41
はじめまして。
何とも不思議な経営者ですね。まるで弁護士のいいなりになっているみたい。
私も経営者ですが、もはや弁護士はアドバイザーではなく、社内でするのが面倒だからという理由でのアウトソーシング先です。きちんとアウトソーシングをするために、幹部は会社法、民法をはじめとして、業務に関連する法律は勉強します。
弁護士って、チャージ制(時間給)だから、こっちに知識がないと、お手盛りをされる危険もあります。他社では、パートナーに依頼したら、頼んでもいないアソシエイト弁護士をぞろぞろとひきつれて来ると聞きます。そうすると、何もできない若手弁護士にもチャージがかかります。弁護士にクレームをつけるには、経営者がその処理にかかる内容や時間を把握している必要があります。弁護士資格を見ると、思考停止になる経営者もいますが、それは危険ですよね。
法務コストを適正におさえようと思ったら、経営者も弁護士と対等に話し合えるように知識を持っていないといけません。
この経営者は、コスト感覚に問題があるように思います。とんちんかんな弁護士に見えますが、チャージを稼ぐための故意犯だと思います。経営者は弁護士に踊らされているのでしょう。
Posted by CTPP at 2009年11月07日 15:28
>>CTPP
弁護士だけでなく、あらゆるアウトソーシング先について言えることですね。

特にIT。
Posted by 柴田進 at 2009年11月07日 16:51
少し説明不足でしたね。
このケースでは、
「他から借り入れをするので担保順位を変更してくれ(相当額は返済する)」
「そこに返済するので当面返済できない」
と言われ、こちらはそれに答えただけです。
債務免除も担保解除もこちらからわざわざ言う事でもなかったので、要求通りにしたのでした。


弁護士は役立たずだとは言いませんが、やはりどういう目的で、どういう事をしてもらいたいか、しっかりと理解していないといけないですね。

そして弁護士はあくまでサポーターなので、丸投げで任せるのは愚の骨頂なのでしょう。
柴田さんの仰るとおり、弁護士に限ったことではないですけどね。

Posted by Master Hiro at 2009年11月08日 00:00
本文に関係のないコメント1件削除いたしました。
Posted by Master Hiro at 2009年11月08日 00:01
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