本文の中に登場するのはすべて実在のケースです。
ただし、守秘義務の関係から人物・社名等は匿名としています。
また、金額・業種等本人の特定につながり易いものについては、
趣旨を逸脱しない範囲で変えてあります。
あらかじめご了承下さい。

2009年11月07日

続・頼るべきは弁護しか

某パチンコ店との交渉時、弁護士主導で話が進み、某銀行から借り入れをして一部返済する事で話はまとまった。
第一順位はその銀行。
我々は第二順位、ただし第一順位が評価額目一杯の金額で設定されたので、我々の担保は物件を売っても取り分がない「無剰余担保」となった。

そもそもこのパチンコ店の問題点は古い経営体質だとみていた。
ともかく銀行から借り入れをし、その金で新台をより早く入れる。
それがすべてと考えていたのだ。
顧客の快適性とか効率的な台の運用とか諸々の改善点をコンサルタント側では用意していたのだが、弁護士が我々の提案などまやかしだと(言ったかどうかは知らないが)して受け入れなかった。

問題を解決しないまま、経営を続けても先は見えている。
某銀行からは我々への返済分と、当面の事業に必要な資金を借りたものの、それから2年ほどで再び事業は頓挫。
「銀行が金を出せばうまくいくんだ」と社長は豪語していたが、短期間でその考えが間違っていた事を証明してくれた。

そして弁護士から久しぶりに電話があった時、要件は「店舗を売るから担保を外してくれ」というものであった。
てっきり「無剰余」だと思っていた我々の第二順位の担保。
市況が回復して思わぬ高値がついた事と、第一順位の銀行の返済が進んでいたのとで、思いがけず「剰余」が出た。

これも担保を外させられていたらだめだったが、相手の弁護士がなぜかそこまで要求しなかったから良かったのだ。
こちらも要求されないことをわざわざサービスすることもないと黙っていたのだ。
経験豊富な弁護士さんだと債務免除も要求してくるが、あまり理屈に囚われるとそこまでいかない。

大事なのは事業の建て直しか、債権者との交渉か。
そこでその弁護士と社長は後者を選択した。
まあそれが弁護士のテリトリーだから当然なのであるが、事業の再生のことにまでは考えが及ばなかったようだ。
我々の提案を受け入れていれば良かったという保証はないが、事業を立て直すという視点が我々にあった事だけは確かである。

結果的に言えばその(弁護士さんの)おかげで我々は随分と楽に結果をださせてもらったのだから、なんとも複雑だ。
再生だなどと面倒な事は考えず、回収だけに走った方が楽だし回収額も多くなるとなれば、そうなってしまう。
単なる取立屋じゃつまらないし・・・

成果の上がったケースではあったが、でも再生自体はやってみたかったなとちょっと残念である・・・



ご訪問の記録にできればクリックして下さい
人気blogランキングです

posted by Master-hiro at 23:51 | Comment(6) | TrackBack(0) | 交渉記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
だいたい、弁護士が表にでてくる時点でその会社は終わりだろう。ビジネスで成果を挙げようとするならば、法律は2次的どころかほとんど最下位順位だ。その経営者が弁護士に頼った時点で自分の無能を示したと同じ。だったら回収するだけ回収して、後は損金で落とすというのが常道だろうね。無能な社員のいる会社は助けることができるけど、無能な社長のいる会社はどんなにがんばっても救うことができないな〜。
Posted by 非国民 at 2009年11月08日 22:16
弁護士を使うとコストがかかる。しかし、判決もとらずに回収できません。損金で処理します。という主張を、はいそうですか損金で処理しましょうね。と、安易に同意してくれる税務署の存在を寡聞にして知らない。
そのような事が安易に認められるなら売上げ除外もやり放題。タックスヘブンですな。
非国民さんのいうような寛大な対応(判決も取らずに執行不能という主張を認めてくれる)をしてくれる税務署の管轄を教えていただきたいものだ。本店移転もやぶさかでない。
Posted by M at 2009年11月08日 23:26
ま、Mさん、そう熱くならずに。会社法上の損金と税法上の損金が違うのは確かだけど、税金はどんどん払ったらいいんだ。国は利益の半分ぐらいをもっていくけど、全部持っていくわけではない。税金を払う分については税務署は文句はいわんだろう。損金算入ができなくても、会社が儲かっている分にはいいんじゃないだろうか。税金を払って残ったお金があれば、リスクの高いビジネスでも投資できるしね。会社もエネルギーに限界がある。法的手続きなんかにとらわれるより、次のビジネスに精力をそそがないと損だと思う。
Posted by 非国民 at 2009年11月09日 20:17
非国民さん、Mさん

コメントありがとうございます
税金は確かに払った方がいいのですが、債務免除益だけはやっかいですね。
キャッシュがないのに税金を持っていかれますからね。
もう少し柔軟性があると助かります・・・
Posted by Master Hiro at 2009年11月09日 23:07
追加で思いついたけど、ビジネスをやる上で、会社法、民法、経理、英語は必須だと思う。それと、訴訟関係は少なくとも弁護士と対等ぐらいは必要かもしれない。もし非国民が訴訟をするなら「請求の趣旨」ぐらいは弁護士と相談するが後は自前。請求の趣旨は「既判力の主観的範囲」という問題があるからだ。せっかく勝訴判決がでても再訴が出てくる可能性があるからだ。ただ、知っていても訴訟はまずしない。なぜなら、訴訟で得る利益があまりにも少ないケースが多いからだ。相手が大企業というケースはほとんどない。だいたいそんな企業とは訴訟にはならん。中小企業や個人だと巧妙に資産隠しされることもある。「法人格否認の法理」は取引関係には適用されるが、訴訟関係には裁判所書記官の範囲を超えるという理由で適用がない。だから、判決文があっても何にもできないケースが多いのだよ。まあ、勝訴判決がでて、強制執行して、おまけに財産開示手続きをして、やれるだけやって税務署に損金と認めてもらうより、はなからあきらめたほうが総合的にお得なケースが多いのではないかなと思うのだが、業種にもよるかもね。それと弁護士を使って勝たないと会社が危ういなんてのは、その時点で負けだな〜。
Posted by 非国民 at 2009年11月09日 23:34
そうですね。
大企業が相手だと、特に特許などではあきらめるケースも多いみたいですね。
時間と費用をかけてまでやるメリットと、今後のお取引を天秤に乗せると「仕方ないか」とされるという話も伺いました。
Posted by Master Hiro at 2009年11月11日 23:05
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/132292866
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック